本格焼酎とは

本格焼酎ができるまで

本格焼酎

はてなネコ
はてなネコ
焼酎はどうやってつくるのかニャ?
造り方はけっこう複雑です

こう見えても(どう見えているかわかりませんが)、わたくし、もと酒屋のオヤジです。けっこう蔵元めぐりをして勉強したり、写真を撮りためたりしました。
そんな経験からボツボツ書いてます。

今回は焼酎の造り方について。

本格焼酎

 

焼酎造りの全体の流れ

黄金千貫芋焼酎に多く使われる黄金千貫

本格焼酎は、一般に次の工程によって造られます。

  1. 仕込みの前作業
  2. 一次仕込み
  3. 二次仕込み
  4. 蒸留
  5. 濾過・貯蔵・調合
  6. 出荷

 

仕込みの前作業

製麹機原料と麹を混ぜ合わせる製麹機

仕込みの前に麹(こうじ)をつくります。

まず、原料を洗い、蒸します。蒸しあがった原料を適度な温度になるまで冷やし、麹菌を植え付け、繁殖させます。こうしてできたものを麹と呼びます。

この原料は、米であることが多いのですが、麦・芋など他の原料を使うこともあります。

麹室麹を手造りで造る麹室

麹をつくる作業は、杜氏にとって腕のみせどころであり、酒質は麹の良し悪しに大きく左右されます。

本格焼酎

 

一次仕込み (4~5日)

一時仕込み一時仕込み用の甕つぼ

焼酎の仕込みには、「一次仕込み」と「二次仕込み」があります。

一次仕込みは、育てた麹に水と酵母を加え、発酵させて「一次もろみ」を造る工程です。 麹の酸で一次もろみは強い酸性となり、二次もろみが腐るのを防ぎます。

「一次もろみ」のことを「酒母」と呼ぶこともあります。

 

二次仕込み (約10日間)

二次仕込み二次仕込み用タンク

「一次仕込み」で出来た一次もろみに、水と、水洗い後蒸した主原料とを加え、糖化と発酵を進めます。

この主原料によって、焼酎の種類が決まります。たとえば、一次仕込みで米麹を発酵させ、二次仕込みでさつま芋を加えた場合はいも焼酎となります。

この二次仕込みで、大量のアルコールが作り出されます。

なお、泡盛は一次仕込みのみで、二次仕込みは行いません。

本格焼酎

 

蒸留

蒸留器蒸留器

出来上がったもろみを蒸留器にて蒸留・冷却し、アルコール分および他の揮発成分を取り出します。

 

濾過・貯蔵・調合

濾過

蒸留した焼酎の原酒には、フーゼル油と呼ばれる油分や雑味の原因となる成分が含まれており、これを取り除く工程を濾過といいます。

貯蔵

貯蔵タンク貯蔵タンク

本格焼酎は、通常、一定期間貯蔵し、熟成させてから出荷されます。貯蔵することにより、初期段階の刺激味などが取り除かれ、また、様々な化学変化によって、味わいにまろやかさと深みが加わります。

調合

調合とは、原酒に水を加えてアルコール度数を調節したり、複数の原酒をブレンドして、新しい味わい・風味を造り出すことです。

調合を行うブレンダーと呼ばれる人のウデによって、本格焼酎は、それぞれの銘柄の味が造られます。また、製造年によって変わることのない、安定した味を維持することもブレンダーの役割です。

本格焼酎

 

出荷

この後、通常3~6か月貯蔵してびん詰めし、出荷となります。あまり貯蔵しないものを「蒸留したて」として出荷するもの、1年以上貯蔵して「長期貯蔵」として出荷するものなどがあります。
3年以上貯蔵したものは「古酒」と呼ばれます。

本格焼酎

 

参考資料:独立行政法人酒類総合研究所「酒類販売管理研修」テキスト他